この週末から来週半ばにかけて、世界中でワールドカップ予選の終盤戦たけなわ。当方も、もう少しモタモタしていたかった気もするが、ここは列強諸国に対して「へー、貴国はまだ出場権を得ていないのですか」と言う優越感を素直に味わう事にしよう(ウズベキスタンとバーレーンの人々へは若干複雑な想いがあるのだが)。それにしても、そのような優越感を抱きながら、この数日間に七転八倒する列強諸国(おっと、来年は対等なライバルとして上位進出を争うのだが)を眺めるのは、大変な快感ですな。
と言う事で、私が最も興味深く野次馬したい試合は、グループ7のベルギー−スペイン戦。
このグループは、セルビアモンテネグロ(勝点16、得失点差+12)とスペイン(勝点14、得失点差+8)の対決に注目が集まっているが、3位のボスニアヘルツェゴビナ(勝点13、得失点差+1)、4位のベルギー(勝点11、得失点差+7)にも、2位に入ってプレイオフに回れる可能性がある。来年のドイツで同じグループになるとしたらボスニアヘルツェゴビナが一番やり易そうだなと言うリアリズムはさておき、非常に面白いグループ。それぞれの試合結果が「どうなったら、最終結果がどうなる」と言うシミュレーションをするだけでも、飽きない程だ。
そして、よほどの幸運に恵まれないと、ベルギーがワールドカップに登場できないと言う「一種の事件」が起こりそうなのだから。
ベルギーは82年スペイン大会以降、連続出場を継続している。82年は開幕戦で、前回優勝チームにディエゴを加えたアルゼンチンに快勝。86年は2次トーナメントで、ソ連、スペインを連破し堂々のベスト4。90年は1次リーグで優勝候補の一角ウルグアイを叩く。94年は2次トーナメントでドイツを後一歩まで追い詰める、98年は優勝候補オランダと引き分けながら、1次リーグ最終戦で韓国に勝ちきれず敗退。
そして02年、初戦の壮絶な攻め合いについては言うまでもなかろう、そして丁寧に戦ってロシアを打ち破り2次トーナメントに。そしてブラジルに対し、エースのヴィルモッツのシュートで先制したと思ったら、怪しげなノーゴール判定。それでも粘りに粘った戦いを演じていたが、後半半ば過ぎにリバウドとロナウドにやられて散った。
いずれのワールドカップでも、優勝候補と呼ばれる強国に対し、ありとあらゆる抵抗を行い、厄介な存在として存在感を見せてきたベルギー。もし、来年のドイツにベルギーが登場しないとすれば、とても寂しい事だ。そのベルギーのギリギリのラストチャンスが、8日ホームでのスペイン戦。ベルギーがこのまま終わる訳がない。物凄い試合を見せてくれる事だろう。
02年、2次トーナメント1回戦、神戸。上記したように、ありとあらゆる創意工夫でブラジルに抵抗したベルギー。それでもブラジルは強く0−2となり、試合終盤を迎えた。この時点で、ベルギーは交代を1人しかしていなかった。控えの選手は、僅かの機会を狙い入念なウォームアップを継続していた。残り時間が僅かになった時、ベルギーベンチからスタッフが立ち上がり、アップしている選手達に声をかけた。彼らは肩を落としながら、アップをやめベンチに戻った。ベンチで、全控え選手が肩を組みながら、敗戦を見つめていた。「勝負が決まり、もう勝てない以上、チーム全員でしっかりと負けを味わおう」と言う意図が、よく理解できた。美しい敗退だった。
このような尊敬する国のワールドカップ出場が、相当厳しくなっている。でも数字上はまだ可能性が残っている。繰り返すが、ベルギー−スペイン戦が大変な試合になるのではないかと、期待は高まる。
