blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ ベガルタ正念場に

 今日は諸事情でJリーグの映像はほとんどフォローできず、結果のみ。今ようやく落ち着いて、イタリア−マリを(ああ、ここで小野たちを見たかった)眺めながら、自転車のリレーの方式に感心し、銀メダルに歓喜したりしている。

 さて、映像は確認できていないが、ベガルタが終了間際に痛恨のPKを与えて、アビスパに苦杯を喫したとの事。これは痛い敗戦だ。アルディージャとは勝ち点7、サンガ、アビスパとは勝ち点6の差がが開いた。これだけ多数のチームに勝ち点差がつけられたのは久し振りのところだ。ヴァンフォーレ、モンテディオとも少し差が開き、2位争いするグループから、少しベガルタだけが脱落しかけているようにさえ見える状態だ。
 ベガルタにとって、本当の正念場だ。以前から再三講釈を垂れてきたが、本当の勝負は第4ステージに入ってからになろうが、その前に差をつけられてしまっては話にならない。
 ここ数試合勝ちきれない試合が続いており精神的にも相当苦しいところだ。一方で、この猛暑に加えて、水曜日の試合も多い今月、現状は肉体的にも底にあるのではないか(もちろん、この状態はベガルタのみならず全てのチームに当てはまる)。さらに厳しいのは、早くもチームの中心となったセドロスキがワールドカップ予選出場のため帰国していた事(それでもアビスパ戦はフル出場したようだが)。

 リーグ戦も半ばを過ぎれば、お互いのスカウティングは充実しきってくる。お互いに敵のやり方、特長と欠点などは相当把握しきっている状態と考えて間違いない。しかも、お互いに「負けない事」を目指して試合に入ってくるだけに、好機を掴みかけてもなかなか得点できない。そこから「我慢比べ」が始まる。
 このような「我慢比べ」になると、ついつい「頑張り」、「J1復帰への執念」、「こちらが苦しい時は敵も苦しい」などとの、「精神論」に傾きがちになる。しかし、それらは物凄く重要な事ではあるが、全てではない。
 もちろん「精神論」が大切な場面は多々ある。特に敵にイニシアチブを取られてしまい守りに追われている時、敵のカウンタアタックを受けてフィールド全体を見回しながら戻る時などは、本当に「精神論」の戦いとなる。もちろん攻撃でも、ゴールラインを割るかどうかのボールを頑張って折り返せるかどうか。人数が少ないカウンタアタックで死力を振り絞って前進し得点に絡めるかどうか、など「精神論」が勝負を分けよう。
 しかし、「精神論」だけで攻撃を仕掛けてしまっては、どうしても単調で前掛りな攻撃になってしまう。ここ最近のベガルタの攻撃を見ていると、気になるのはその単調さなのだ。組織的にボールをよくつなぎサイドに拠点を作るところまではよい、あるいは敵ボールを奪い意思統一された連携でハーフウェイラインを越えるあたりまではよい。問題はその先だ。敵もベガルタの特長は読んでいるのだ。サイドに拠点を作り、あるいはカウンタで攻め込み、敵の守備を薄くする事ができていれば強引に「精神論」で仕掛けるのもよかろう。しかし、敵の守りが厚い時、あるいは敵プレスが利いて余裕がない時に、急いで(慌てて)前に進むのは、愚の骨頂なのだ。どうも最近のベガルタは、その隘路に陥っているのではないか。
 ベガルタに必要なのは、この攻撃の際に敵DFが揃っている時の「我慢比べ」ではないかと思うのだ。そして、この場合必要なのは「精神論」ではなく「ひたすら冷静な判断」なのだ。以前も述べた事はあるが、この「ひたすら冷静な判断」は「若さ」とは相反するもの。しかし、この矛盾を乗り越えた時、ベガルタに栄光が到来するのだ。
 「若さ」は、近い将来ベガルタがJ1でも勝てるチームになるために、絶対必要な事だ。多数の優秀な若手選手の存在無くJ1に上がれた場合の(いや、それはそれで素晴らしいのですけれども)苦しさは、存分に経験したではないか。つまり、今は「若さ」と「ひたすら冷静な判断」が同居するようになるための生みの苦しみの時期なのだ。ここは、サポータを含めたクラブの全関係者の「我慢比べ」能力を問われているのだ。

 さっぱりスタジアムに行かない不良ベガルタサポータの私であるが、幸いな事に今後の2試合は続けて生観戦が可能。向こう2試合は、声を張り上げての「我慢比べ」に参加できる。ひたすら「冷静」に大声を張り上げ、2連勝に付き合う事にしたい。

投稿時間 2004年08月21日
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