blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 山本氏に思う

 明後日はU22日韓戦。今日はアテネを目指す山本氏について考察したい。
 
 私はホームで勝利を目指さなかった山本氏の姿勢に監督あるいは指導者としての姿勢に大いに疑問を感じている(「山本氏への失望」「続山本氏への失望」)。またチーム作りの上でも合理的とは思えない采配が散見され(「意図はわかるが賛同しかねる山本采配」)、かつ結果で出ていないのに修正されないのも気に入らない。加えて、A代表と全く連係が取れていない強化方針にも疑問満載である(「分散強化極まれり」)。
 しかし、氏がアジア大会で見事な実績も残しているのもまた事実。また、97年のワールドユースでも宮本、明神、中村、柳沢と縦のラインが揃った好チームを作り、堂々たるベスト8進出も実現している。ただトルシェ氏の副官として、書物をたしなめただけのコーチではないのだ。これだけ実績のある監督が、何故に、かくも論理的に納得できないチーム作りをするのか、不思議でならなかった。

 先週発売のサッカーマガジンの山本氏インタビューを読み、上記の疑問が少し解けてきた。氏は今回のアテネ五輪チームを任されると言う好機に、張り切り過ぎているのではなかろうか。考えてみれば、監督としてこれほど魅力的な機会があろうか。以下その理由。
1.「谷間の世代」などと揶揄された選手たちだが、大変優秀な選手のグループである(例えばアジア大会中国戦を見ればよくわかる)。
2.シドニー五輪と韓日ワールドカップを、同一監督に任せた成功例があり、本来はA代表監督が指揮すべき五輪チームが、A代表監督のギャラの関係で、自分に機会が回ってきた。
3.現A代表監督の采配振りは相当危なっかしいものがあり、ドイツ大会あるいは予選前に、何がしかの理由で監督交替の可能性がある。もしアテネで強力なチームを作る事ができれば、A代表監督への可能性は決して小さくない。
 さらにアジア大会で相当レベルまでチームを引き上げる事に成功したのみならず、さらに張り切る材料を得た。復調の山瀬、那須、ユースからの昇格組に今野、菊地らが加わる事と、SARS騒動で実質の強化期間が延長できた事だ。
 かくして、目移りするようなタレント群と、あり余る日程(と協会が提供してくれる多数の準備試合)を抱え、山本氏は消化不良に陥っているのではないかと想像するものである。

 と言う事で、ソウルでの日韓戦はとても重要になる。もし、明後日も消化不良の「テスト」を、行うようだと、このまま消化不良が継続し、アテネの本大会まで「テスト」を繰り返す事になりかねないと思うからだ。あれだけ「テスト」を重ねるのが好きだったトルシェ氏も、次第にチームの骨格を重要な節目の試合ごとに我々に見せてくれたものだったが、山本氏はまだ明確になっていないように思えるのだ。
 まあ所詮五輪代表は、A代表への階段としての「テスト」チームと言う考え方もあるかもしれませんがね。

投稿時間 2003年09月15日
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