最近、中田浩二、フィリップ問題を取り上げる事が多い。今日は、アントラーズとマルセイユの間でもめている?移籍金周辺問題について。
本件についての私の理解は下記の通り。間違いがあったら指摘して下さい。
まず欧州において、契約期間が切れた選手に移籍金が発生しないのは、国際標準でも何でもなく、EUと言う複数国家連合における地域的な規則。約10年前に、EUの裁判所の判決が基本となっている。例のボスマン判決である。
そのため、多くのクラブは複数年契約の中途で選手を移籍させて、違約金の形態で移籍代を確保する。欧州では複数年契約の残存期間が短くなると「移籍金」が下がる傾向があるが、これは複数年契約残存期間で現保有クラブに将来発生する雇用費用に連動しているため。
一方の日本の年齢や年俸で最大移籍金が決まる規則も、無論日本国内にのみ通用する独自の規則。Jリーグ黎明期に作られた規則だが、特徴的なのは最大移籍金が発行されると、事実上選手には無条件で移籍する権利が生まれる事(旧所属クラブの保有権は優先されない)。
この移籍金は、現保有クラブの提示年俸とも連動するので、契約残存期間とは関係なく、現保有クラブが満額(なりそれに近い金額)を要求するのも当然である。
規則が異なる国同士の移籍なのだから、双方の規則はいずれも有効とはならない。そうなると、ごくありふれた複数国間のビジネスとなる。
つまり、アントラーズサイドはマルセイユに対し、(「将来海外移籍を承認する」と言う類の特別なオプション契約がないのならば)「国際移籍証明書」を発行しないと言うカードを見せながら、妥当と思える金額を請求する。この場合、日本風のナニワ節としての「過去の功績と、中田浩二の海外への夢」も考慮に入るかもしれない。さらに将来の帰国後の優先権に関する要求もありか。
一方、マルセイユのフロントは、現監督が「中田浩二が欲しい、彼が獲得できればこれだけの成果を上げる」と言うコミットとのバランスをとりながら、いくらまで出せるかを提示する。
したがって、アントラーズと中田浩二の契約期間が切れたからと言ってマルセイユは無料で中田浩二を獲得できる訳ではないし、アントラーズは日本の規則による移籍金を満額もらえる筋合いでもない。あくまでも、双方の交渉で移籍金は決まるものである。
最悪、交渉がもつれた場合は、FIFA?の裁定を仰ぐ事になるのかもしれない。ただ、これまた通常のビジネスでは当然の事だが、交渉がもつれたと言って裁判まで行っていたらコストがかかって仕方が無いから、どこかで落し所を探す事になるのが普通。
私の理解は以上。
私は日本のトッププレイヤが欧州でどんどんと活躍して欲しいと考えている。一方で、Jの各クラブが健全な収入を得る事も望んでいる。双方のバランスが取れる事を期待する。しかし、そのバランスが取られないならば仕方が無いと想う。その場合は、中田浩二は次の機会を目指すべきではないか。そうならない事を望んでいるのだが。
