blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 名良橋ベルマーレ復帰

 名良橋がベルマーレに復帰したと言う。ちょっとビックリした。何となく、アントラーズで現役を終えるように思い込んでいたからだ。そして、何とも言えない複雑な想いを感じたりする。名良橋が最も輝いていたのは、あの黄緑色のユニフォームを着ていた時代だと思うからだ。
 スペインで、しばしば見られる移籍劇。レアル・マドリーやバルセロナで活躍した選手が、選手生活の最後を若い頃所属したクラブで終えようとするパタンと考えてよいのだろうか(もっとも、スペインの場合は、「出身地」と言うものが絡むのかもしれないが)。

 今までにも何回か書いているが、Jリーグに加入し損ねたフジタが、ベルマーレと言う名前になり、当時のJFLでJを目指していた93年シーズン、そしてJに昇格した94、95年シーズン。ベルマーレの誇る若き両翼、名良橋と岩本テルには、本当に興奮させられた。この2人は、本当に両方のタッチライン間でワンツーパスをしていたのだ。名良橋のサイドチェンジがピタリと岩本テルに、と同時に名良橋は敵陣に向けてダッシュ。岩本テルはワントラップ後、悠然とした大きな振りのインステップキックを逆サイド前方に。名良橋は、そのボールを敵ペナルティエリア直前で、ダイレクトでズド〜〜ン。ジョルジーニョとブランコ。カフーとロベルト・カルロスの1/10の洗練度だったけれど、同等(以上?!)の興奮を味あわせてくれたコンビだった。
 そうこうしているうちに、岩本テルは「人気」と言う魔物により消えてしまい(それがベガルタで復活するのだから嬉しかったが)、名良橋はアントラーズに移籍した。当時名良橋は、代表の右サイドバックを柳本啓成と争っていた。名良橋は、世界サッカー史上最高の右サイドバックの1人であるジョルジーニョとのプレイを希望し、自らアントラーズへの移籍を希望したとも言われた。
 結果的にこの移籍は成功だったのだろう。フランスワールドカップ予選の97年。名良橋は代表のレギュラ争いに完全に打ち勝ち、ジョホールバル経由でトゥルーズに登場した。余談ながら、名良橋のライバルの柳本に右サイドバックをさせた加茂監督の判断は正しかったのだろうか。サンフレッチェでセンタバックとしてスピードと1対1の対応の巧さで、Jで大活躍していた柳本は、代表でサイドバックに固定されているうちに、本来の良さも消えてしまったようにすら思えるからだ。木村和司をウィングからMFに、名波浩を攻撃的MFからボランチに、それぞれ日本サッカー史上最高レベルのコンバートに成功した加茂監督ではあるが、この柳本の起用法は今なお疑問に思うのだが。
 話題を戻そう。トゥルーズの名良橋である。1−0のまま試合は後半を迎えた。井原を軸に、アルゼンチンの猛攻を丹念に押さえ、点差を開かせない日本。そして、試合終盤。我慢に我慢を重ねていた日本は75分以降逆襲に転じる。その75分、中田のFKから右サイド長躯した名良橋がフリーになり押えたシュート、しかしボールを浮かさぬように上半身をかぶせ過ぎたのか、シュートの瞬間やや力みがあり枠を捉える事ができなかった。以降、日本は攻めに転じ、CK崩れからの秋田のヘディング、中西の(今なお何が起こったのか信じられないのだが)2人抜きからの呂比須のシュートなど逸機もいくつか。あの名良橋のシュート以降日本は攻めに転じたのだ。「勝負になった。あのアルゼンチンとワールドカップ本大会で、まともな試合ができた。」感動は大きかった。
 もっとも、あの名良橋のシュート。ベルマーレ時代の名良橋ならば、「無理に浮かさぬよう」などと余計な事を考えなかったのではないだろうか。そして、渾身の力をこめてアルゼンチンゴールに叩き込んでくれたのではないか。と思ったりする。

 ジャーン、斉藤とベテランを補強し続けたベルマーレ守備陣だが、名良橋も復帰する。ややトウが経った守備陣だが、今シーズンはよい補強をしたものだと思う。
 そして、名良橋が復帰した今となっては、岩本テルの去就も問われる。こちらも、ベルマーレに復帰したりして。ついでに、もうすぐ移籍金が不要になるはずのお方も...

投稿時間 2007年02月07日
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