前園が引退するらしい。
昨シーズン、Kリーグに所属するも、思うような活躍はできず。セルビア・モンテネグロのチームに活路を見出そうとしたようだが、採用には至らなかった模様。そこで、どうやら引退を決意したらしい。とうとう、あの全盛時の切れ味は戻らなかった訳だ。
過去にも、前園への永遠の期待については書いた事がある。しかし、期待は叶わず、前園はトップレベルのサッカーを断念したと言う事か。残念だ。本当に残念だ。
しかし、別な見方もあるように思えてきた。
95年から96年にかけて、僅か2年間程度だったろうか。前園のプレイは本当に凄かった。中でもあのアトランタの年、96年の前園と言ったら。
五輪出場を決めたサウジ戦の美しい2ゴール。A代表での、ウルグアイ戦の相馬へのスルーパス、チュニジア戦の森島とのワンツー。
このあたりの前園のプレイは本当に凄かった。そして、本当に短い期間ではあったが、あの瞬間の輝きを、私は永遠に忘れない。たとえどんなに短くとも、あれほどの光彩を放った選手は、日本代表史においても、そうはいなかった。
長きに渡って安定した活躍をする選手は素晴らしい。しかし、極めて短い期間かもしれないが、他の誰にも真似できないほど輝く選手の記憶も美しいものなのだ。
目をつぶれば、あのシャーラムでのサウジ戦の先制ゴールの戦慄と興奮を今でも再生できる。城のリターンを受け、ゴールに近づき、グッと加速して、サウジの名手セベルマウィを完璧に抜き去り、冷静に流し込む。あの加速の一瞬の美しさ。
もっと極端な事を言えば、あの一瞬だけでも、前園は最高だったのだ。
あの一瞬を思い起こしつつ、前園に乾杯。
