4点目がいい。試合終盤、丁寧にボールを回し、疲労した敵を左右に揺さぶり、石川がズド〜〜〜ン。得失点差、総得点を考慮すればもう1点欲しい場面で、チーム全体が(結果的にアシストに近い飛び込みをした闘莉王を除いて(笑))冷静に、遅攻から点を奪った事実は大きい。タイトルマッチ、それも敵が戦う姿勢を失っていない試合終盤に、このような得点を奪えるとは。しかも、ここまで得点に絡みきれなかった石川の一撃と言うのも意味がある。
3点目も評価できる。後半起用された高松がチームになじめず(つい最近作り始めたばかりのチームだから(笑)控えの選手が周囲とのリズムが合わないのはやむを得ないか(笑))、崩しきれない時間帯、丁寧なパス回しからエースの田中達也をフリーにする事に成功。しかも達也が狙い済ましたクロスをファーポスト、DF2人の向こう側の高松に完璧に合わせた。ここまで思うようにボールを受けられなかった高松だが、この場面は見事なトラップから強烈な一撃でGKの股間を破った。これぞ仕事師、ようやった。昨日持ち上げておいてよかった(笑)。しかも、この一撃で高松は完全にチームになじんだ。これ以降は、高松の引き出しがチームに溶け込んでいく。それにしても、達也があの距離で、あそこまでの精度のクロスを蹴る事ができるとは。
2点目の意味も大きい。平山のヘッドから抜け出した達也の狙い済ましたセンタリング、飛び込んだ啓太がまたサイドネットを狙って実に見事にミートした。達也の抜け出しとルックアップと身体をひねりながらのラストパスは、ある意味当然だろう。重要なのは啓太。チームのダイナモ兼主将としての活躍は誰もが認めるものの、つなぎのパスの精度など課題も大きい選手。しかし、このような重要な場面で見事に2.5列目から飛び出し、正確なキックによる得点を決める。個人能力に課題のある選手だが、存在感は存分に見せてくれた。この存在感は、この選手の潜在的素質を感じさせてくれる。
1点目の重要性は論に及ぶまい。ここまで決定機を何回も掴みながら逸機してきた日本。平山の空中戦から、オフサイドラインぎりぎりに抜け出し、難しいヘッドを決めた達也に、エースとしての格を感じた。USA予選のカズ、アトランタ予選の前園、フランス&シドニー予選の中田、これらのエースと同等の雰囲気を味あわせてくれたのだ。
と結果的には最高の試合だったが、いくつか苦言を。
(1)消耗が激しい今野と啓太のいずれかを休ませるべきだったのではないか。
(2)今野、啓太のファウルが気になる。せっかく敵MFを囲い込みながら、この2人はやや無理なチャージで敵ボールを奪取しようとして、逆に反則を取られるケースが多い。
(3)グラウンドのせいもあるらしいが、最終ラインでのボール回しはもっとセーフティにすべきではないか。特にこの相手ならば、無理につながなくても、早めにロングボールを入れる選択肢はあるはず。
(4)この日の主審は、神経質に「手」を使うファウルを取るタイプ。早い段階でそれに気付き、対応した競り合いを見せて欲しかった。
まあ贅沢言ってはキリがありません。愚痴を語りながら飲む酒の味また格別、と理解して余韻を愉しもう。
