blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ カズの新たな冒険

 カズの横浜FCへの移籍が正式発表された。
 カズと城、97年国立ウズベク戦のキックオフ前、あの日本サッカー史に残るクサい事この上ない名場面を見せてくれたコンビが復活する訳だ(もっともあの瞬間は、まさかこの試合が、カズが日本代表で輝いた最後の試合になるなどとは夢にも思わなかったのだが)。
 この稀代のストライカの数奇な運命と、その全盛期の信じ難い得点能力と勝負強さを思い出す事は愉しい。そして、今なお衰えない浮き球の処理の巧さや、(だいぶスピードは落ちてきたけれど...もっとも全盛期も決して足は速くなかったな)独特のドリブルのステップワークを観るのは、もっと愉しい。この日本サッカー史屈指のFWが、現役と試合出場にこだわり、活躍の場を2部リーグに求めた事を大いに評価したい。

 とは言っても、今回の移籍劇に関しては、邪推すればキリが無い程の怪しげな雰囲気が漂うのもまた事実。
 まず出す方のヴィッセルだが、先日来異様な監督更迭劇が連続した。その最中に、カズの実兄である三浦ヤスの立場が、「取締役チーム統括本部長→コーチ(監督はレオン氏)→クビ」と、変遷していった。そして、現在のパベル氏(当時古河をサポートしていた身としては、彼がJリーグのクラブの監督を勤めるのは、何とも感慨深いのだが)就任以降、カズはベンチ入りの機会すら与えられなくなり、今回の移籍。そう素直には受け取れないわな。

 一方、受け入れる方の横浜FC。このクラブは、設立及び存続そのものが劇的な歴史を持っているが、先般ついにクラブ設立以来初めて強力な株主を受け入れた。そして、その後の第一弾と言ってよいだろう強力補強が今回と言うところか。
 報道によると、カズには相当なキャッシュが支払われる模様。これは相当な決意での投資だ。もちろん、カズとて、大枚をはたいてくれるからこその意思決定。
 しかし、そう邪推を進めると不安になってくる。果たして、これだけの大枚をはたくのにはカズが最適な対象なのか。J2で上位進出、J1昇格を狙うための補強としては、もっと経済効率のよい選手(外国人にせよ、日本人にせよ)がいるように思えなくもない。
 横浜FCサイドとして、類まれなる得点能力と、抜群のプロフェッショナリズムによる他選手への好影響への期待は大きいだろう。しかし、何よりそのネームバリューにによる宣伝効果を含めての投資と言う事か(一方で今なお「カズ」と言うブランド力が存分価値ありと判断されるだけでも凄い事だが)。

 まあ、野次馬がどう言おうが、過去も結果を残してきたのがこの男の偉大さ。横浜FCフロントの期待通り、観客を誘因しながら、(ベガルタ戦を除いて)ボカスカ点を取り、栄光のキャリアの終盤にまた美しい花を咲かせる事を期待したい。

投稿時間 2005年07月21日
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