blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 富樫洋一氏逝去

 富樫洋一さんが取材先のエジプトで亡くなったと言う。享年54歳。若過ぎる。何と言う事だ。ご家族の悲しみはいかばかりだろう、心からお悔やみを申し上げたい。そして、富樫さんのご冥福を祈りたい。

 富樫さんとの付き合いはもう20年近くにもなる。いつも悠然とした態度でニコニコと、サッカーを語る事そのものが愉しくて仕方が無いと言う、愛すべき先輩だった。ここ10年くらいは、なかなか会う事も叶わなくなっていた。最近お会いしたのは、1年ほど前の友人の結婚式。富樫さんは、日本代表史上最高の右サイドバックに、私を紹介してくれた。
 富樫さんのサッカー観は比較的穏当なものだったのに対し、私の意見は相当危ないものが多いので、随分活発なサッカー談義をさせていただいた。オフト氏が就任するずっと前、日本代表の監督に外国人が就任する事そのものがあり得ないと思われていた時代に、次期日本代表監督候補について、議論した事がある。富樫さんは加茂氏を推し、私は清雲氏を推して、微に入り細に入り語り合ったのは忘れられない。そういう時代だったのだ。
 ある時、富樫さんが雑誌に書かれた記事を見て、思わず吹き出してしまった。1ヶ月ほど前に語り合った時に、私が主張したネタではないか。富樫さんに文句を言ったら、「いやー、ごめんごめん、今度寿司をおごるから」とニコニコ語ってくれた。とうとう、寿司をおごってもらい損ねた。

 8年前のトゥルーズ駅、キックオフ3時間前、久しぶりに富樫さんに会った。「あ、富樫さん」「おう、武藤君」と近寄り握手する。「とうとう、ここまで来ましたよね。」と私が言うと、富樫さんは「そうだよな、ワールドカップだよな。」と語り、2人でボロボロと泣き出してしまった。
 
 富樫さん、これからじゃないか。これから、日本が世界で七転八倒するのじゃないか。
 
 ごめんなさい。もう、これ以上は書けません。
 
 富樫さん、ありがとう、さようなら。

投稿時間 2006年02月08日
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