しかし、甚だ難しい問題だが、私は吉田主審の判断を評価したい。1本目のイエロー、エメルソンの技巧を起点にした速攻から抜け出しかけた永井へのプロフェッショナルファウルで妥当な判定。2本目のイエロー、エメルソンが抜け出した後のレイトタックル、確かにイエローに足るプレイではあったが、涙を流すジャーンを見てもわかるが意図したファウルではなくエメに置いていかれたが故のものだったのだろう。だが「決勝だから」あれを見逃してしまったら、岡田や井原や薩川や大森は、次の試合でこの主審がビッグゲームを吹く時、必ず狙うよ(笑)。このような
この吉田氏の笛は単なる杓子定規とは一戦を画すものである事は強調しておきたいけれども。
と、上質かつ高級な審判の判断の解釈を愉しんでいたら、格段に質の低い議論が聞こえてきた。ベスト10との事だが、残り6つがよくわからない。Googleなどで、他の6例を調べようとしたのだが、今のところ発見できていない。どなたか、見つけた方は是非連絡下さい(笑)。もっとも、世界中で本件を気にしているのは韓国の方々だけなのかもしれないが...一体、韓国の方々は何を気にしているのだろう。
もっとも「誤審」と言う言葉は危険なもので、多くは「疑惑の判定」で語られるべきだろう。今回堂々?ベスト10入りした韓国がらみの判定も、6,7位のイタリア戦の2例、8位のモリエンテスゴールは典型的な「疑惑の判定」、審判の判断次第で解釈はどうにでもなるケース。この手の「疑惑」は過去も再三あった。66年決勝延長ののハーストのバーに当たった直後の落下点、同大会のアルゼンチン−イングランド、ウルグアイ−西ドイツの南米選手のみの退場、78年ブラジル−スウェーデンのロスタイムのジーコの得点直前の試合終了の笛、82年スペイン−ユーゴ、地元スペインが決めるまでやり直すPK、いくらマラドーナやジーコを削っても退場にならないイタリアのジェンチーレ、90年決勝の西ドイツの怪しげなPK獲得...これらは、後日何回かVTRを見て、「審判の判定はおかしいのではないか」と思っても、「まあ主観の問題か」と解釈できるケースで「誤審」とは言い切れない。02年でも、韓国の試合以外にも、ベルギー−ブラジルで、ベルギーヴィルモッツのヘディングシュートが、訳のわからんうちにノーゴールになった場面があったが、これも一例だな。
一方で、明らかな「誤審」も2つのパタンがある。
1つは明らかな審判の見落とし。典型的な例は、98年準決勝、フランス−クロアチア、ブランの手が当たってもいないのに殴られたフリをしたクロアチアのビリッチ。後日TVカメラが、ビリッチの「殴られたフリ」を明らかにし、主審の誤判定が映像上は確定した。このあたりは審判もつらいところ。
しかし、例の韓国の第9位、「スペインのクロスがタッチラインを割っていた」と言う判定は凄かった。「ラインを割った」のは、判断基準の問題ではない。そしてあの場面では、TV桟敷で見ていても「ラインを割っていない」のは自明だった。経験を積んだ主審、副審は、角度が悪くても、ラインを割ったかどうかは、選手の姿勢やボールのスピードから、正確に判断できるものだ。一瞬の判断が要されたハーストの一撃とは全く異なる。私は何ゆえあのような「誤審」が生まれるか、全く理解できなかった。個人的には、ワールドカップ史上、いや30年余に渡る観戦歴でも最も不可思議な判定だった。今なお、あの場面だけはわからない。
と言う事で、残り6つを早く知りたいな。
