しかし、久保と安貞桓の2トップと言うのは反則ですな。
ともあれ、女子代表の敗戦について。
各種報道による事前情報では、スウェーデンと比較して組し易いと言われていたナイジェリアだったが、どうしてどうして非常に強いチームだった。ブラックアフリカのチームだけに、脚力や跳躍力に優れたていたが、技巧も相当。
決勝ゴールは、カウンタアタックから(日本から見た)左サイドを、敵エースのヌクウォチャに鮮やかにえぐられ折り返されたところを、ストライカのオコロに丁寧に合わせられてしまった。
この場面のみならずヌクウォチャは、大柄で柔軟で技巧的なプレイで日本を悩ませた、前評判どおりのよい選手。日本は得意の粘り強く複数の選手が対応する守りで対応したが、このカウンタアタックの時は完全に前を向かせてしまった。そして日本の守備者(柳田?)を抜いてCBを引き付けたところで、進出するオコロの前方に巧いセンタリングを流し込むアイデアは素晴らしかった。そしてオコロのシュートがまた見事。トップスピードで走りこみながら、見事に遠い側のサイドネットにグラウンダのシュートを決められた。この日も山郷のプレイは安定していたが、さすがにあのコースに飛ぶシュートは止められない。
余談です。この得点、前々日パラグアイゴールに決めた大久保の得点を思い出した。右からの低いセンタリング(そのセンタリングを上げた演出者の技巧と判断がそれぞれ見事だったし)に対し、シュータが落ち着いてグラウンダでファーサイドに転がす。ゴール前での密集度は全く異なったが、堅固な守備ラインを崩すための一つのやり方だ。
失点後の日本の猛攻は心打つものではあったが、残念ながら崩しきれず。
言うまでも無く宮本の不在が痛かった。替わって起用された柳田は活動量よくつなぎに参加したが、展開までは荷が重かった。一方で宮本不在で再認識させられたのは酒井の高い能力。普段は自らはボール奪取に専念し、展開を宮本に託す事が多いこの勇者だが、この日は展開能力も並々ならぬ事を示してくれたのだが。
さらに事態を混迷させたのは、失点後の丸山投入による3トップ。丸山はよく動きボールを引き出したが、いささか攻め急ぎが見受けられた。これに宮本不在の中盤の展開不足が加わり、攻撃が一本調子になるのみならず、最強兵器の川上を走らせる頻度も減ってしまった。
それでも、終盤川上の技巧から荒川が右サイドをえぐり大谷に合わせた決定機は完璧だったが逸機。さらに、澤も再三見事な位置取りから強シュートを放つものの決め切れなかった。まあ、負ける時とはこのようなものか。
過去女子代表の敗北の多くは、敵の頑健な肉体能力の高さにやられるものだった。しかし、今日の負けは悔しいものだったが、敵に許した得点が技術の面でもアイデアの面でも見事な「サッカー的」なものだっただけに、一種爽快感も感じたのは私だけか。
他グループの成績で準々決勝進出は決まったようだが、上位進出を左右しそうな組合せは他力本願となった。厳しい戦いが続きそうだが、このチームにはまだまだ伸び代がある。1次リーグのよかった点、悪かった点を、いかに糧に出来るか。上田氏の手腕と撫子たちの知性と技巧に期待したい。
