blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ トヨタカップ2005総括

 生観戦したのは準決勝2試合、3決と決勝。決勝は素晴らしい試合だったし、他の3試合も愉しめる試合だった。とにかく、あの決勝戦を堪能した今となっては、美しい思い出の大会となった。決勝前までの試合も、スタイルの異なるクラブ同士の試合は見せ物として確かに愉しめた。トータルとしては、とてもいい大会だった。
 けれども、不満も多々ある大会だった。だって、寒いし、高いんだもの。

 いくら寒いとは言っても、87年のポルト−ぺニャロールのように、雪は降っていなかったのだから、あの程度の寒さに文句を言ってはバチが当たるのかもしれない。私個人としては、この大会前に導入したアルミ毛布(ドンキホーテで約700円で購入)が有効だったので、寒いことは寒かったが、何とか耐え忍ぶ事ができた。ただし、かのブラッター氏も、(観客動員を言い訳にはしていたが)おそらく自分が寒くないように、札幌ドームや東京ドームを使って欲しいと、川淵会長に要求したらしい。ブラッター氏にもドンキホーテを教えてあげればよかったのか。もっとも、あの寒さは12月にしては珍しい巨大寒波によるもので、あくまでも天災。寒さについて、ブラッター氏や川淵会長に文句を言うのは筋違いかもしれない。

 けれども、人災については文句が止まらなくなる。私はのべ3日間で合計23,000円と言う信じがたい大枚を投資したのだが、ブラッター氏は自腹を切るどころか、私たちから巻き上げた銭でまた豊かになったのだろうから、寒いくらいは我慢してもらわなければならない。冗談はさておき(いや冗談かどうかはさておき)、チケット代の高さとガラガラのスタジアムは、今大会のチケッティングが大失敗だったと言う事である。
 おそらく、2002年ワールドカップあるいは少し前のレアル・マドリードやミランなど豪華絢爛なスター軍団が来日した際のトヨタカップを参考にしたのだろう。そして、当時のチケットの売れ行きとその後のオークション相場から、相当強気の価格設定になった。私のような馬鹿は、ついついわかっていても、世界クラブ選手権の準決勝と言われただけで、大枚をはたいてしまうのだが、普通の方は冷静だから財布の紐は緩まず、チケットは大量に売れ残った。
 そして、大会直前に入り、ガラガラのスタンドでは今後の大会運営に差し支えるとでも政治的判断がはたらいたのだろう。直前になって大量に「無料チケット」による「動員」がなされた訳だ。
 いずれにせよ、来年のこの大会(あるいは来年以降も日本での継続開催を狙うならば尚更)のチケッティングには相当改善の余地がある。主催サイドの損益見込とその内訳を調べた訳ではないが、あの価格でなければ利益が出ないと言うならばこの大会の将来は暗い(実際には単に暴利をむさぼろうとしただけで、あれでなければ利益が出ない訳が無いだろうが)。

 伸びない観客動員で話題になったのが、地元チームの出場権。これは本質的には観客動員と大会権威のバランスを考えてFIFAが考える事で、開催国がどうこう言う事ではない。そして本件については、日本協会は少し毅然とした態度を取るべきだと思う。もし、日本開催を既に決定している第2回まで(で、後は各大陸持ち回り?)と考えているならば、「地元開催」を公にリクエストしてもいいだろう。しかし、従来のトヨタカップのように、半永久的?な日本開催を狙っているならば、少なくても公にはリクエストすべきではない(公にバレないように、「ねえブラッターさん、日本のクラブを出した方がずっと儲かりますよ」とコソコソ語る分には、あまり格好のよいものではないが1つのやり方だろうけれど)。大体、必ず日本のクラブが出場して日本で行われる世界大会って、TV局が若手タレントを使って大騒ぎするバレーボールの世界何とか大会みたいではないか。一般国民の方々にこの大会をそう思われるのは不愉快だし、他の国のサッカー狂の連中も日本サッカー界の事をよく思わないだろう。
 繰り返そう、もしこの大会がトヨタのおかげで半永久的に日本で行われるならばありがたい事だが、その場合地元枠は不要である。

 ところで、3位決定戦のサプリサの終盤の同点ゴールとなるPKの判定は、大変なミスジャッジだと思う。あの場面は、パスを受けたサプリサのFWのトラップがやや大きかったところに、アル・イテハドのDFがスライディングでボールを蹴りだしたところに、後からサプリサFWが引っ掛かって転倒したもの。あれでファウルを取られたら、守備者はやっていられない。2002年の韓国−スペイン戦の判定に匹敵する、すごい判定だったと思うが、それほど話題にならないのは不思議に思う。アル・イテハドは極めて不運だった。

 ともあれ、来年、ガンバなりヴェルディがこの大会に登場する事を期待しよう(とすれば、西野氏なりラモス氏が、栄光の監督として登場するのか...う〜ん)。

投稿時間 2005年12月22日
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