blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ オレンジの若者に感嘆

 私が記憶する限りにおいて、全ての年齢層においても、日本とオランダの代表チームが公式戦を戦うのは、これが初めてではなかろうか。クライフ世代の私である、まずは我が青い軍団が、あのオレンジ色と戦うだけで嬉しくなってしまった。
 最近のオランダと言えば強力な両ウィングを前線に押し立てての4−3−3。その対策として、大熊氏は4DFを採用、両サイドバックには既にJリーグの自クラブで中心選手とも言うべき能力を発揮している中村北斗と水本を起用した。しかし、オランダの左ウィングクインシーは、まあ何と言うか、もうどうしようもない化け物だった。あそこまで中村北斗がやられてしまうとは。
 試合は開始早々からこの左ウィング対策のために、守備陣が引きずられ、思うようにボールを保持できずに圧倒された。ただし、オランダMFはパス回しが巧い選手は揃っていたが、緩急をつけてくるタレントがいなかったのが救い。早々に2点差とされた以降は、曲りなりにもスピードに対応できるようになり、何とかそのままで試合を進めるのに成功。
 後半はオランダもオーバペースが祟ったのだろうか、日本もそれなりにキープできるようになる。そして、水野のFKから平山が見事なヘディングシュートで同点に。このヘディングは平山の得意な形で、高さで散々敵DFを悩ましておいて、たまに低めのボールに対して走りこんで敵DFを振り切る形。
 終盤、平山の空中戦から、何回か決定機を掴むも決めきれず、追いつく事はできなかった。まあ、あれだけ猛攻を許しては、負けもいたしかなないだろう。贅沢を言えば、オランダのプレッシャが一段落した後半こそ、水野、本田、家永、あるいは梶山や船谷などの「技巧派」を複数起用し、日本らしい変化のある攻めを見たかったが(言い換えれば、彼らの技巧がオランダの守備陣に通用するか見たかったが)、あれだけ前半押し込まれての対応を余儀なくされたのだから、いたしかたあるまい。耐えに耐えて勝負に持ち込んだ事を高く評価すべき試合だった。
 ワールドユースの最大目的は、将来のワールドカップに向けた経験。そのような観点からすれば、最高の試合だった。1次リーグ残り2試合で、この失敗経験を取り返して、経験蓄積が継続する事に期待したい。

 色々と考えさせられる試合だったが、やはりクインシーに対する驚きにつきるか。。
 クインシーのような選手は、「育てる」のは難しく「育つ」ものだと思うが、日本はどうすれば、そのような「育つ」環境を作れるのか(福島に優秀な中学生を集めるのが有効で無い事は確かだと思うけれど)。
 クインシーのプレイそのものを思い起こすのも愉しい。彼のドリブルは、ボール扱いの正確さ(特に足の裏を使ってのタメから、足の他の部分への切替の巧い事)、腕を含めた身体、特に上半身の使い方、加速の速さ等、様々な要因が重なり合ってのもの。今大会、より厳しい戦いになった時に(その戦いの相手が再度日本だと、なお嬉しいのだが)、そのドリブルはどのように猛威を振るうのか。
 さらに彼が今後どのような選手に育っていくのか(もし、クインシーが順調に育った場合、代表チームには同じポジションに、それほど年齢の違わない凄いライバルがいるのだし)も、興味深い。この手の爆発的ドリブラがどう完成していくのだろう。
 さらに日本の同世代の選手達との比較も愉しい。例えば、加速してからの足の速さは苔口だって相当だし、瞬間のスピードは前田俊介もなかなか、森本のドリブルからシュートへの円滑さは見事なものがある。せっかく、厳しいタイトルマッチを戦ったのだから、日本の若者達にはこの素晴らしい刺激を活かして一層の成長を期待したい。

 それにしても、大人の代表チーム同士が試合してもこのような展開になるのではないかと思わせる試合だったな。何となく来年の今頃、お手合わせする機会があるのではないかと。

投稿時間 2005年06月12日
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