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■ 上田対反町

 どうもベガルタは終了間際にミスから失点し敗れたらしい。これで今シーズン残りは僅か3試合となった。その3試合をしっかりと戦う事を期待したい。

 昼間は動きようがなかったのだが、夜は時間が取れたので、平塚競技場で行われたベルマーレ−アルビレックスを見に行った。

 試合はアルビレックスの圧倒的ペースで始まった。
 両チームの監督、反町氏と上田氏は共にシステマティックなサッカーを展開する。お互いプレイが切れるゴールキックの場面では前後の幅はせいぜい30m、左右も40m程度の狭い領域に22人の選手が稠密に整然とポジションを取る。ところがその領域にボールが入り、激しいプレス合戦のすえ、アルビレックスボールになった瞬間、アルビレックスの攻撃選手は一斉に左右一杯に開く。そして、3DFとドイスボランチの5人は瞬時にその左右オープンスペースにボールを送り込む。ベルマーレはその展開の切替えに全くついていけない。
 アルビレックスの先制得点は、そのような流れから左オープンに鈴木健(鈴木慎かもしれない)がフリーで進出、好センタリングが上がり、中央に4枚くらい選手が飛び込み、一番外から入った寺川がフリーになって鮮やかなミドルシュートを決めた。1−0。
 その後もアルビレックスペースが継続、再三決定機を掴む。ところが、この決定機を決め切れなかったことが試合を面白くする。
 ほとんど攻め手が見つけられなかったベルマーレだが、前半終盤あたりからアルビレックスのプレッシャに少しずつ慣れてくる。そして上田氏の意図だろう、左右で2対1、あるいは3対2の数的優位に近い状況を作り始める。そして、前半終了間際、ついに右サイドで高田ヤス(だと思ったのだが:このワールドユース世界2位プレイヤについてはまたじっくり語りたい)がフリーになり、正確なクロス、柿本のヘディングにGK野澤が見事な反応をするが、こぼれ球が佐野の前に落ちた。佐野は冷静に流し込む。1−1。
 ベルマーレにとっては歓喜の、アルビレックにとっては衝撃の、それぞれの気持ちを抱いてのハーフタイムとなった。

 「反町氏の事だから、精神面のケアは存分に行ってくるだろう」と何となく想像していた後半立ち上がり、アルビレックスは修正できていなかった。と言うより、ペースを掴んでいた前半に思わぬ失点を喫して、一気にここまでの精神的疲労が出てしまったのかもしれない。活動量が明らかに落ち、ベルマーレの攻勢を許す。
 ここでベルマーレの売り出し中のボランチ中町が輝きを発揮する(これはワールドユースの有力候補たり得る)。正確な技巧と冷静な判断、中町を起点にベルマーレは右サイドを崩し、最後は佐野が見事なミドルシュートを決める。1−2。
 こうなるとJ1チームアルビレックスは猛攻、同点ゴールはエジミウソンの個人技から、多くの選手がペナルティエリア内になだれこんで、こぼれ球をベテラン上野が見事に押し込んだもの。2−2。
 この時点で何となく「J1のアルビレックスが最後帳尻を合わせるのかな」と思い始めたのだが、そうはならなかった。アルビレックスはますます活動量が落ち、ベルマーレがペースを掴む。そして、今度は左サイドを見事に崩し、坂本が強烈なミドルを叩き込んだ。2−3。

 終盤、上田氏は佐野に替えてアマラオを投入。アマラオは、冷静なボールさばきで試合を終える事に貢献。ハーフウェイライン近傍右サイドから、左オープンに芸術的なロングパスを狙うなど、攻めに厚みをつける。さらにロスタイムに入ってからは、アマラオ自身が最終ラインに入るなど、野次馬には堪えられない展開で試合は終了。
 美しい得点が5本決まる愉しい試合で満喫させていただいたのだが、地震がなければ新潟で行われた訳で、観る事は叶わなかったのだから、いささか複雑な気持ち。

投稿時間 2004年11月13日
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