男女とも優勝の可能性が無くなってしまった東アジア選手権。何とも微妙な空気が流れているジーコ氏率いる男の代表チームと比較して、女子代表の評判は大変よろしい。
ここまでの2試合、女子代表の試合振り、特に戦う姿勢が素晴らしいからだろう。チーム全体が意思統一された攻守、体格で優れる相手にひるまずにチャレンジ、敵に隙あらば攻め込む意欲。TV桟敷で愉しむ野次馬の私も、選手1人1人の戦う意欲を、映像を通してたっぷり堪能させてもらっている。
ただ、北朝鮮戦、中国戦と2試合続けて観戦したところで、彼女達に「もう少し肩の力を抜いたらどうだ」と言いたくなってきたのは私だけだろうか。
私が今まで見た女子代表の試合のベストゲームは、アテネ五輪スウェーデン戦。この試合は、全員の戦う姿勢、守備面の組織力、攻撃での即興性が、非常に高いレベルで発揮された。当時と比較して、今回の女子代表は、戦う姿勢は遜色ないものの、残り2点には不満が残る。そのうち、守備面の組織力については、新しいチームでピークは来年以降に来るべきなので、これは仕方が無い。
しかし、もう少し技術を活かした即興的な攻撃を見せてもらえないかと言う想いはある。おそらく、アテネでそのような役割を担当した荒川、小林、川上と言った選手ではなく、若い選手を登用しているためだと思う。若い選手たちは、国際経験も浅いから、どうしても「戦おう」とすると「戦い」に専念してしまい、「遊び」の感覚がなかなか出てこないのだろう。唯一、経験も技巧も兼ね備えた澤は、逆に若い選手を引っ張るのが精一杯で、これまた「遊び」が出てこない。何とか、もう少し肩の力を抜いて、落ち着いたゆっくりとした攻撃を仕掛けられないものだろうか。
さらに言うと、北朝鮮にせよ、中国にせよ、体格差に対抗するために、敢闘精神が全面に出過ぎると、逆に「力と力」の戦いに陥りやすい。特に北朝鮮戦はその傾向が強かった。相手が強かろうが、速かろうが、技術で対抗して圧倒するのが、当面日本がアジア席捲を目指す上で重要なポイントとなると思うのだが。
第3戦の韓国戦は、久々に川上が起用されるとの噂があるが、彼女のリードに導かれ、大野、宮間、安藤らの若手技巧派たちが、落ち着いた技巧を発揮し、美しい即興的な攻撃を披露してくれる事を期待したい。
