ジーコ氏のナイジェリア戦メンバを見て、私はジーコ氏の考えがほとんど読めてしまった。要はこの男は、本当の意味での負けず嫌いなのだ。そして、目先の試合全てに勝つ事を目指しているのだ。そのような意味では、言行一致と言う事か。
正気とは思えないFWの選手選考による、国立での日韓戦と長居のアルゼンチン戦の苦戦。アルゼンチンに対する長居の惨禍による錯乱。相対的な戦闘能力差がアルゼンチン戦より小さかっただけなのに、出来が良かったと思い込むパラグアイ戦。そのため、今迄戦略的に積み上げたチームを全放棄する了見の狭さ。中田と中村の個人能力で圧倒し3−0とリードしながらも、疲労困憊した選手を最後まで引っ張ったNZ戦。どんな不出来でも11人枠を確保しているアレックス。体調が整わないにも関わらず、Jリーグのトッププレイヤよりも常に高い評価を受ける稲本。稲本とアレックスのミスで、あえなくフランス2軍への敗北。コロンビア戦、0点で抑えればよい試合なのに、アレックスを使い続ける判断(諸事情と言うべきなのか)。宮本のミスで失点し、どうしても1点欲しい場面で、全く冴えない采配。
それでもジーコ氏擁護論で述べたように、私はJリーグ黎明期の氏の実績を高く評価していた。その上で、ジーコ氏現状分析で述べたように、ここ最近監督として働いていなかったのだから、監督としての能力が錆びているだけではないかと予測した。その上での上記のコンフェデの失態。以前もさんざん講釈を垂れたが、コンフェデの敗北の全責任はジーコ氏にあると、断言せざるを得なかった。
だから、今度のナイジェリア戦のメンバ選考は、注目に値した。錆がどの程度落ちたか、長居以降の錯乱から目は覚めているか、アレックスに引導を渡す決意はついたか。中田、中村が揃わない時の対応策はどうなるか、等々。要は、まだ望みを捨てていなかったのである。
その上での今回のメンバ発表。もうダメだ。シーズン当初の海外組全員呼び戻しは、目先の勝利への追及以外何ものでない。それでも、中田、中村、高原は、一万歩譲って許してもよい、この3人は国内組より実績面で明らかに優れているから(国立での日韓戦の失敗によほど懲りたのだろう)。でも柳沢と稲本をどうして招集する必要あるのか。久保なり黒部、中田浩なり福西なり明神なり阿部がいるではないか。
さらに今回の守備ライン。「秋田が外れて中澤が入る、名良橋が外れて(ソウルでの日韓戦の名良橋の完璧なパフォーマンスはここでは問うまい)市川が入る」程度ならば、元々の戦略思考からのズレはないと許してもよい。しかし、森岡も服部も外すのを見るともうガッカリ。アルゼンチン戦までのメンバ固定も、単に目先の試合に負けたくないので、その時その時にジーコ氏がベストと思い込んでいた選手を並べる事に拘泥したのに過ぎない事が判明してしまった。そしてあの埼玉のパラグアイ戦程度のアレックスや坪井の出来は、それまでチームに貢献してきた服部や森岡を忘れさせるパフォーマンスだったと言う訳だ。つまり、氏のサッカー眼は、本当の意味で錆び切っているとしか言い様がないではないか。
とどめに左DFアレックスのリザーブの不選考。ジーコ氏のアレックスへの絶大なる信頼(と言うより絶大なる起用の約束)の証明。ここまで露骨な選考をされると、さすがに選手たちも(いくら大人だとは言え)まともに働く気力が湧いて来ないリスクすら出てくる
若いサポータの方々は、このような理不尽な状況の経験も浅かろう。おそらく怒りで、我慢しきれなくなっている方もいるだろう。ファルカン氏や加茂氏の冴えた選手選考が懐かしいと思うかもしれない。でもねえ、このような事は、過去に何度無くあったのだ。むしろ、過去10年間の監督選考が巧く行き過ぎていたと、考える方が健全かもしれないのだ
しかしながら、何があろうとも、私は日本代表を応援する。このような状況だからこそ、必死にナイジェリア戦は応援する。
