blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 日本風ジャッジとワールドカップ

 本大会1次リーグでの敗退、敗戦後監督が無能であった事を自ら是認する発言を行った記者会見、協会会長自らが己を人物として超小物である事を示した次期監督招聘劇、(これらの小人物と同列には扱いたくないが)長きに渡り日本サッカーをリードしてきた選手の早過ぎる引退発表。あまりに残念なニュースが続く日本サッカー界に、久々に悪くないニュースが訪れた感もある。
 さらに言えば、このセットのもう1人の副審は、韓国の金大英氏。このような形態での日韓連携は大歓迎だ。このライバル国には、極めて複雑な思いがあるけれども、相互に強化を図って世界に近づいていかなければならないのは、歴然たる事実なのだし。
 広嶋氏については、副審としての技量、現役教師とのして活躍、悪い話を全く聞かない方だ。世界最高の副審として評価される事を期待しよう。
 で、上川氏なのだけれども、数年前のJリーグの表彰式で「最優秀審判」と発表された際に、会場に詰め掛けていたサポータたちに「えーーっ」と言う声援で迎えられたと言う実績の持ち主。やや杓子定規すぎる笛の吹き方に定評があり、日本国内ではあまり人気のない主審の1人だ。ただ、毎週毎週続くリーグ戦ではの過剰な杓子定規さは、ご免こうむりたいところだが、ビッグゲームでの杓子定規さも少しは大切でないかと、ポルトガル−オランダを見て思ったのだ。

 私はこの試合を、ケルンの大聖堂の裏手のパブリックビューで観戦した(あ、しばらくただの自慢話が続きます)。この大聖堂の写真を初めて見たのは、中学校の教科書だったと思うのだが、「あの馬鹿馬鹿しいほどの巨大な建物に1度登りたい」と言う夢を適えた訳。その巨大建造物をバックにワールドカップの映像を愉しむのは、なかなか快適だった。ちなみに16年前、ミラノのドゥモ横のパブリックビューで「ディエゴの一刺しでセレソン沈没」を観戦した。巨大歴史建造物横でのパブリックビューは最高なのだ。日本だと、姫路城か、平等院鳳凰堂か、奈良の大仏か(これはちょっと無理か)。

 ポルトガル−オランダに戻ります。観ていて面白い試合ではあった。だが、この試合は数え切れない警告が乱れ飛び、試合終了時点では9対9になってしまった(ワールドカップ史上初めてらしい)。主審は経験豊富なイワノフ氏だったのだが、開始早々にオランダのブラルーズが対面にあたるC・ロナウドを削った場面で警告を出した。明らかに意図的に敵エースを傷つける事をねらった大変危険なファウルであり、退場でもおかしくないところだったが、イワノフ氏は試合を壊したくなかったのだろう。ところが、このファウルで完全にC・ロナウドは負傷退場してしまった事もあり、ポルトガルの選手たちは「あのくらい汚いファウルをしても退場にはならないのだな」と言う態度で報復を始めてしまった。かくして、カードが連発される事になった。やはり、最初の場面でブラルーズを退場にすべきだったのではないか。トッププロの守備者たちは、審判の基準を読んで、どのレベルまでファウルをすべきかをコントロールしている。そのような意味では、やはりこの試合序盤ではある種の「杓子定規さ」が必要だったのではないかと感じた。このあたりの審判技術は永遠の課題なのかもしれない。
 もっとも、この試合の混乱を決定的にしたのは、75分過ぎのオランダのヘイティンガのプレイだった。ポルトガル選手が負傷したためのドロップボール、フィーゴとコクーがニコニコ笑いながら、ドロップボールに対応、そのボールを拾ったヘイティンガは、あろう事かそのままドリブルで攻撃に出る。当然、ルーズボールになると思っていたポルトガル選手は対応できない。やむを得ずヌノ・バレンテは、かなり危険なタックルで止める。これ以降はもうどうしようもなくなってしまった。
 この滅茶苦茶になってしまった唯一の救いは、既に退場処分を食らっていたデコとファン・ブロンクホルストが、ロスタイムに仲良く並んで座って観戦していた映像が映された事か。

 と話がずれて行ってしまったが、言いたい事は3氏がナイスジャッジをしてくれる事につきる。期待しよう。

投稿時間 2006年07月08日
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