blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ やはり辞めないで欲しい

 過去ワールドカップで、ただの1度もPK負けした事のないドイツと、ただの1度もPK勝ちした事のないイタリア。一方で、イタリアに勝った事がないドイツ。前半からイタリアが前掛りに攻めかけたのは予想外だったが、1試合ごとに連携も個人能力も向上していくかに見えたドイツ守備陣をどうしても崩せない。少々攻め疲れ気味になり、ドイツの逆襲を再三許すようになり、0−0のまま延長戦も終盤に近づき、PK戦突入が予想された時間帯。「どちらのジンクスが生き残るのか」と少々複雑な思いを感じ始めた時の、ピルロのノールックパス、グロッソの一撃であった。
 いかにもドイツ−イタリアらしい試合。それにしても、ドイツは本当によく戦ったと思う。あの戦闘能力で、アルゼンチンにもイタリアにも、あそこまで抵抗したのだから。クリンスマン氏は、大会最高殊勲監督と評しても過言ではない。

 今日は触れたくはないが、中田の引退について再考察する事にしよう。
 やはり、いくら考えても「残念だ」としか言いようがない。これだけの能力があり、実績があり、自らを鍛え抜き、経験を積んできた選手だ。30歳を過ぎて、ますます経験を磨き、もっともっとすごいプレイを見せてくれるはずだった。
 したがって、往生際が悪いと言われようが、翻意を期待したい。誤解されては困るが、本人が熟慮の末に決めた意思決定なのだろうから、その想いが適う可能性は僅少だろう事はわかっている。また、翻意を期待する理由も、単に「老獪な中田のプレイを堪能したい」と言う、甚だ身勝手なものだ。
 けれども、今大会のジダンやフィーゴのプレイを思い出すと尚更、「一層熟成した日本サッカー史上最高の選手のプレイを愉しみたい」と言う想いが強まるのだ。

 本来であれば、過去中田が見せてくれた幾多の名場面を改めて振り返り、適えてくれなかったいくつかの想いを語るべきなのだろう。しかし、本件については往生際の悪さを主張するのみに止めたい。

 なお、昨日のエントリで「発表のタイミング」について疑義を唱えた事に対し、コメント欄でいくつか異論をいただいた。改めて、本件に関する本意を記載したい。
 やはり、発表はもう数日待ち、ワールドカップ後にして欲しかった。今は準決勝以降の死闘を愉しみながら、「日本の何がいけなかった」を反芻する事に専念したいのだ。さらに、中田は世界的選手である。この突然の発表は、(ワールドカップに向けて戦っている)かつての僚友トッティらにも、衝撃を持って受け取られる可能性もあるだろう。そのような意味でも待って欲しかった。
 中田は、川淵会長と異なり常識人であり、そのようなタイミングの拙さを理解しているに違いない。それにも関わらず、このタイミングで発表したからには、相応の事情があった事が容易に想像できる。そのために「あまり言いたくはないが」と言う表現を取った次第。

 繰り返すが、やはり辞めないで欲しい。

投稿時間 2006年07月05日
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