この手の花相撲にはあまり興味がないので全く映像を見ていないが、ヴェルディがレアル・マドリードに大勝したらしい。まあ、いくら何でもあの日程で来日したてでは、どうしようもないと言う事か。ただあれだけ高額の入場料をとっての興行だけに、もう少し何とかすべきではないかと思うけれど。もっとも、30年以上前は、このような日程で来日したての欧州のプロクラブに、合宿でじっくりと体調を整えた日本代表がチンチンにやられた事もある訳だが、さすがに時代が違う。
ともあれ、アルディレス氏はもういない。
天皇杯を制覇したヴェルディ、ワシントンと言う大型補強にも成功し、リーグの優勝候補の一角となるのではないかと期待したのだが、悲惨極まりないHOT6の戦果により、一躍降格の有力候補になってしまった。調子が狂った1試合を大差で負けるチームは珍しくないが、ここまで大差で負け続けるチームと言うのは珍しい。と言うか、ここまで修正し損ねるケースと言うのも珍しいと言うべきか。なすがままに大敗を繰り返しただけに、アルディレス氏の更迭もやむを得ないか。
あの天皇杯を獲得した美しいサッカーと、ここ最近の無様な試合振りの対比は、サッカーの面白さ、難しさを改めて、突きつけてくれるものだ。
それにしても、どうしてアルディレス氏はここまでチームをガタガタにしてしまったのだろうか。そして、どうして崩れっ放しのまま、打つ手無し状態だったのだろうか。
色々な仮説が成立すると思う。
ヴェルディのフロントの補強と、アルディレス氏の構想にズレがあった可能性はあるかもしれない。例えば、守備ライン。天皇杯優勝時の守備の中核富澤を放出(富澤をレンタルしていただいているベガルタのサポータとしては不満を言う筋合いではないけれど)。その代わり、上村、戸田と言う代表経験者が補強されたが、この2人はアルディレス氏の好むスタイルの守備者ではなかったようだ。また、伸び盛りの平本だが、どうもワシントンとの2トップを組むタイプでは無いようにも思えた。そのあたりの、補強と監督構想のズレが噴出し、修正しようがない状態になった可能性がある。
アルディレス氏の理想主義が修正を阻害した事もあるかもしれない。アルディレス氏はラフプレイを嫌う趣旨の発言を再三行っていた。リズムがよい時はそれでもよいかもしれないが、守備の調子が狂った時には、相応の激しさによりペースを取り戻す事は1つの手段。しかし、アルディレス氏はそれを潔しとしなかったのか。
今シーズンのチームの目標が今1つ定まらなかった事もあったか。かつて栄光を欲しいままにしたヴェルディ。一時のチーム運営の失敗から、戦闘能力ではJ1でも中下位に落ち込んでいた。加えて、ホームタウンの迷走など、クラブとしてのアイデンティにも悩む期間が継続した。しかし、丹念な強化を継続し、一気に天皇杯を獲得、それも相馬、平本、小林大吾ら豊かな素質を持つ若手の活躍によるもの。一方でリーグでは中位に留まる。この状態で、アルディレス氏自身が、今シーズンどのあたりを目指すのかが、はっきりせぬままリーグに臨んでしまったのではないか。
アルディレス氏は退任の記者会見で、Jへの復帰を希望する旨を示唆したと言う。Jリーグの3クラブで実績を残した名将だ。Jのいずれからのクラブが氏を呼び寄せ、また魅力的なサッカーを見せてくれる事を期待して構わないだろう。
