衝撃に打ちひしがれながら(「悲しみを味わう」快感を感じていたとも言うのだが)ダラダラと飲んでいた昨晩、色々な方から連絡をいただいた。サンガと田中隼磨ファンと言うAさんからのメール、「最悪の結果で残念でした、悔しい思いの講釈を読むのを愉しみにしています」嘆きと励ましと慰めをまとめていただいたが、重要な情報が添付されていた。「ところで今夜はワールドユース、それもイングランド戦だということはご存じでしたか?忘れずご覧下さいね」いや、すっかり忘れてました(笑)。Aさんどうもありがとう。
と言う事で、対イングランド。
最初に思ったのは、日本の選手たちはキックオフ10時間前に母国で起こった劇的な結末をどう咀嚼し、戦いに臨んだのかと言う事。坂田、阿部のように喜びの報せを聞いたのならばさておき、成岡、菊地、そして誰よりも角田、彼らのように悲しい情報を入手した選手は、どのように自分の気持ちを整理したのか。さらに余談めくが、彼らとは全く異なる立場の解説の清水氏(日本のスタジオではなくUAEにいたように思えたのだが)の想いは...
ともあれ、このチームの選手達の素材の高さにはいつも感心する。特にフィジカルでイングランドに何ら遜色ない。前半など、この相手に蹴り合いの試合を挑むのだから。私も解説の清水氏同様、「もっとつなげばいいのに」と思って見ていた。これでは小林も成岡も活きないではないか。しかし、大熊氏が正しかった、蹴り合いでも何ら負けないのだから。殴り合い、もとへ蹴り合いの前半を無難に終え、イングランドが疲れプレッシャが甘くなった後半に攻め掛け得点を奪うゲームプランを完璧に演じるのだから恐れ入った。イングランドの終盤のパワープレイにも川島(豪州戦の不振が嘘のようだった)を軸に堂々と押さえ切った。チームの本当のよさである技巧とパスワークは、他国に完全に隠し初戦を制したのだ。
ただし、もちろん不安もある。最大の問題はFW。坂田は得点にせよ、運動量にせよ、引き出しの積極性にせよ、完璧に近かった。マリノスが来シーズン、マルキーニョスと再契約しないと言う情報があるが、この坂田を見るとなるほどと言う思いを持つ。しかし、阿部と茂木には課題が多い。阿部の懐の深さと柔軟性、強さ、高さを兼ね備えた肉体能力、茂木の裏を突く瞬間的なスピード、いずれも日本人離れしている。しかし、この2人には共通の課題は「判断能力」にある。この2人のプレイを見ていると、阿部は「自分がボールをキープする事」、茂木は「自分が突破する事」が、それぞれメインテーマとなり、「得点する事」を目指していないようの思えるのは私だけだろうか(よく柳沢の課題として「自ら得点する事」を目指さないのが問題と議論されるが、柳沢は「自チームが得点する事」を意識しているだけに、この2人よりは格段にましである)。
かくして、この試合は完勝。上々の滑り出しとなった。イングランドはワールドユースにそれほど力を入れていないと言うし、今回もルーニらの主軸が来ていない。近い将来ワールドカップでイングランドと戦う事を想定すると、敵にこれらのエースが不在だった事を忘れていはいけない。例えば、この日のイングランドのメンバ構成は、日本が角田、今野、坂田が不在で臨むようなチームだった訳だ。我々はワールドカップ上位進出を目指す国なのだ。物事の基準はこのような高いレベルで考えなければいけないのだ。
