地元マレーシアの綿密な大会プランに感心した。日本のグループリーグは随分ラクな相手が多いなと不思議だったのだが、要はマレーシアがワールドユースに出場するために、準備されたグループな訳だ。マレーシアは中央アジアのネパール、同じ東南アジアのベトナムには勝利を計算、準々決勝(つまりワールドユース出場権獲得戦)では絶対に最強日本には当たらない訳だ。日本としては、不満は一切ないので文句を言う気はないが、よくまあ他国がこれを飲んだもんだと感心する次第。
と言う事で、マレーシア−日本。開始早々に1点取ってしまったところで、事実上の勝負あり。技巧とフィジカルで圧倒し、前半終盤に加点。後半も何度か決定機を掴み、(このチームでは)最も若い森本の追加点で3−0と快勝した。
この大会は、極端な言い方をすれば準々決勝の重みのみが強過ぎる。そのような意味では、1次リーグをキッチリ無失点で2連勝したのだから、文句を言ってはいけないのかもしれない。しかし、3点ほど不満を述べたい。
1つ目。エース平山の活かし方、どう平山に点を取らせるか、が不明確。いくら平山が空中戦に強くても、敵DFからみて「よし、クロスが来るな」と言う状況では、余裕を持ったヘディングは簡単ではない。2点目のように、敵DFのクリアがたまたま平山近傍に来れば、圧倒的な高さを活かせるのだが。したがって、クロスを上げるにしても、平山のウラを狙うとか、平山がファーなりニアに動いてそこに合わせるなどの仕掛けが必要だと思うのだが。さらに平山の魅力として、胸トラップで持ち出しての両足での低いシュートもあるのだが、周囲がそれを狙っていないのも不思議。兵頭、中村と言った、国見でのチームメートもいるのに。それとも勝負どころまで、隠しているのだろうか。
2つ目。どうして、スピードだけで突破しようとするのか。苔口、中村の両翼の速さは抜群で、正対すれば敵DFは止めようがなかった。しかし、あそこまでチーム全体で速さで突破しようとすれば、さすがに読まれる。とすれば、まず一旦スローテンポにして敵を引き出す工夫が必要なはず。梶山の負傷離脱は痛いのかもしれないが、中山のように独特の「溜め」を武器にできる選手もいるのだが。「単純な速さ」による突破には限界があるはず、大事なのは「緩急」による突破だと思うのだが。まあ、せわしない攻めも日本の特長もとへ特徴なのかもしれないが。
3つ目。2−0あるいは3−0になり、事実上勝負はついていた。先の試合もある。とすれば、一番大事なのは追加点ではなく、警告を食らったり負傷をしない事であるべき。ところが、試合終盤まで同じテンポでの「攻勢」を続け、ためにマレーシアは相当激しいプレイで対抗してきた。したがって、負傷のリスクが高まった。実際、兵頭、小林が交代を余儀なくされたのは、敵との交錯によるもの、さらに終盤中村、平山も傷ついた。当方が強引に前に出て行けば、技術、フィジカルで劣る地元チームは、激しさで対抗してくるのは当然で、負傷のリスクが高まる。この当たり前の事が、どうして各選手に徹底されていなかったのか。もっとダラダラしたペースにどうして持ち込もうとしないのか。それとも、今後の勝負どころに向けて、「もう1点取る」トレーニングだったのか。
グダグダ不満を述べたが、日本伝統の技巧とパスワークに加え、平山、苔口と高さ、速さで勝負できるタレントがいる魅力的なチーム。ワールドユースの決勝トーナメントを見据え、チームをどう育てていくか、大熊氏の手腕にも期待したい。
