blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 五輪代表選考に呆れる

 山本氏は何を考えているのだろうか。予選まで1ヶ月半の段階で候補選手が37名。A代表に選考された4名を除いて、大挙して豪州まで連れて行くらしい。一体どのようにチームをまとめるつもりなのか。

 このチームは1年ちょっと前のアジア大会で、非常に質の高いサッカーを見せ、準優勝と結果も出した。山本氏の手腕も存分に評価されるべきものだった。さらに、予選が各種事情で延期になったが、リーグ戦の最中にも定期的に国際試合が準備され、贅沢極まりない準備期間が与えられた。
 ところが、山本氏はいずれの準備試合でも「テスト」を繰り返す。この年代なので次々と新しい選手がJリーグで活躍し始めるのは当然で「テスト」の連続はおかしい事ではない。しかし、中心と目された選手すらクルクル変え、アジア大会でよかったチームの原型すらわからなくなってしまった。
 気が付いてみると、誰が試合に出るのすら、全く予想できない状態だ。少し、具体的に考えてみよう。現状で最初の11人に選ばれるのが確実な選手は石川くらいしか思い当たらない(いや、石川はA代表に選考されており、このチームから離れるかもしれないか)。A代表準レギュラの大久保は、同タイプの田中が絶好調で、このチームでの地位が確実とは思えない。唯一、中核として執拗にCBで起用が継続された青木だが、本来のポジションでなく凡庸なプレイを継続しており、闘莉王の参入もありレギュラは風前の灯。マリノスでシーズン通して活躍した那須の成長もあり、最終ライン、ボランチも確定した選手はいない。山瀬はほぼ確定かもしれないが、ここにはずっと中心選手として機能していた松井と言うライバルがいる。
 もちろん、これらの混乱は選手層が厚い事と言う素晴らしい事態から起こっている事だが、青木を除いたいずれの選手も、チームの中で中核的存在と言う扱いを受けていないのも事実なのだ。

 この状態で、さらにユース組を加えた冒頭の大人数で豪州合宿を組み、どう絞込みをするのだろうか。新旧A代表監督も、試合に出すつもりがない紅白戦専用メンバを再三選考し、世界中を駆けずり回らせ顰蹙を買った(買っている)が、山本氏は紅白戦にも出られない選手まで連れて行くのだから凄い。
 例えば、ユースから引き上げられた矢野、近藤、成岡、鈴木あたりは、メンバに残る可能性があると言うのだろうか(誤解しないで欲しいが、この4人の素質は見事なものだ、しかし現状で1ヶ月半後に始まる試合には間に合うとは思えない)。

 「選ぶ」と言う事は「捨てる」事なのだ。分厚いバックアップは重要だし、40人近く「使える」選手を所有するのも結構な事だ。しかし、同時に試合に出る事ができる人数は11人しかいないと言う当たり前の事を山本氏は思い出すべきなのではないか。

投稿時間 2004年01月09日
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