実は本業の関係で、今異国のホテルで講釈を垂れている。インタネットと言うものは恐ろしいもので、中澤不在のマリノスが城南に完敗した情報も容易に手に入る(しかし、中澤欠場の理由を考えると、マリノス関係者は激怒を通り越しているのではないか、日本協会は本当に襟を正す必要がある)。情報入手の障壁が極端に下がっている訳で、私の世代の人間は、世の中に付いて行くのが、本当にしんどくなってきた。ともあれ、こうやって海外で寝酒の肴代わりに講釈を垂れる事ができる事の幸せを感ずるべきなのだろう。
では本題。韓国を屠った五輪代表はなるほど素晴らしかった。
しかし、今まで「テストごっこ」と散々批判させていただいた山本氏の評価を、切り替えようとは思わない。いいチームを作りつつある事は認めるが、あまりにコストパフォーマンスが悪いと思うからだ。
まず断言しておきたいが、このチームはまだまだ未完成。昨日も触れたように、闘莉王、今野、田中と言う3人の縦のラインを機軸に、非常に強力なチームが生まれつつある。しかし、両翼をえぐってからの仕掛けにはまだまだ工夫の余地があるし、リードした終盤の試合の終え方も明確でない(特に守備的MFや左サイドのバックアップは不明瞭のままだ)。さらに攻撃の担い手となるトップ下の山瀬と松井の交通整理ができていない。またリードされて終盤を迎えた時の無理攻めの経験もない(例えば、平山、高松のツインタワーを達也や石川が狙うフォーメーションなどはあり得るのか)。もっとも、このあたりを厳しい予選を通じて確立させ、本大会に向けてチームを引き上げ、(昨日私も茶々をいれたように)適切なオーバエージを補強し、本大会でメダルを目指す今後のタイムスケジュールは悪くないが。
さらに昨日の完勝は、フィジカルコンディションのよさも大きな要因となったと見る。昨年、このカードは2回行われたが、東京でもソウルでも、立ち上がりに韓国が猛烈な運動量を誇示してペースを握った。ところが、この日は逆に日本が今野と啓太の猛烈な運動量で、立ち上がりからペースを握ってしまった。これは、年初より各チームから選手を取り上げた上で、延々と行っている強化合宿の賜物だろう(いくら集合合宿をしてもさっぱりフィジカルコンディションが上がらず、あまつさえ次々と疾病に倒れる勇者たちを生んだ別なチームを考えると、五輪代表チームの適切なトレーニングは光る、でもこれが当たり前の事なんだよな...)
強力な素材を多数抱え、まだ発展途上だが、最終予選に向けてフィジカルの準備が順調なチーム。だったら、昨年行った強化は何だったのだろうか。
昨年の五輪チームは、5月に2次予選でミャンマを破って以降も、リーグ戦の最中だと言うのに、シンガポールだ、カタールだ、韓国だと、世界中を駆け回った。あげく、今予選に向かおうとしているのは、軸線までが変わった昨年とは全く違うチームだ。
別に特別な遠征や合宿を行わなくても、選手はリーグ戦を通じて成長するものだ。遠征や合宿できるのは、相互理解の強化とフィジカルコンディショニング。相互理解は、どうせユース組+闘莉王帰化待ちが必要だった。コンディショニングは今回のように大会直前でしか意味がない。
つまり、昨年のミャンマー戦以降何もせずに、2004年になってからチーム作りを始めても、何も変わらずアテネで十分にメダルを狙えるチームを作れたのではないか。
