blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ サッカーマガジン日本歴代ベスト11

 一昨日、牛木氏の連載終了を嘆いた訳だが、愛読書サッカーマガジンは相当大掛かりに改編を検討しているらしく、その前祝い?あるいは総決算?として、歴代の日本代表ベスト11を選考するお遊びが行われていた。このようなお遊びは大好きだ。そして、遊びなのだから真剣に取り組まれると言う前提において。
 そのような意味で、せっかくの素晴らしい企画なのに、武智氏と西部氏は真剣さが不足していたのではないか(笑)。武智氏はあえて松田を選んだのだから「松田を入れたのは反省してます(笑)。小城とか、落合を入れなきゃダメだったのかなって。」と当たり前の事を言ってひよってはいけない。ひよると言う事は、真剣に考え抜いて臨んでいないと言う事になりますよ(笑)。西部氏もあえて井原を外すと言う、(私から見たら)大変な暴挙(笑)をしているのだから「順番に選んでいったら枠がいっぱいになった(笑)」と言う言い訳では許されない。最低限、中澤と森の組み合わせが、井原を上回ると言う説明をするのは、暴挙をした方の義務である(笑)。説明してくれれば、大量の反論もできようと言うものだし。
 その点、老獪な大住、後藤、国吉の各氏は、真剣に遊んでいただいていて安心感がある。大住氏の加藤久の選考、柱谷哲二を井原とのセットとして選ぶ発想。後藤氏の川本泰三と堀江先生(この方はどうしても先生と言う称号付きになってしまうな)、八重樫、MF杉山。国吉氏の名波、サイドバック奥寺(大住氏は否定的だったが、奥寺の全盛はレーハーゲル氏率いるブレーメン時代のサイドMFであり、帰国後ソウル五輪予選でもサイドハーフで実に知的なプレイを見せていた)。お三方とも、真剣に考え抜いた主張を感じた。

 不愉快だったのは進行役。自分がラモス好きなのは構わないが、見てもいない長崎での日韓戦を引っ張って多くのスペースをラモスに使った事が許し難い。最初に無理やりラモスに話題を持って行った時に、国吉氏に「ラモスは派手に守るけど、そんなにしっかり守ってないよ(笑)」と一刀両断にされたにも関わらず、しつこく「僕はラモスに一番戦っている姿勢を感じました」「こういう人がいたら代表は強くなるんじゃないかって」。
 「いい加減にしろ!」と言いたい。ラモスは確かに素晴らしい選手だった。武智氏や西部氏が歴代ベスト11に選ぶ事を否定するものではない。しかし、その魅力は、フィールド全体が見えているような視野の広さ、独特のスローテンポのゲームメーク、敵を崩すためのアイデアの豊富さなどである。一方、口は達者で立派な事を語るが、その発言やプレイ振りが刹那的言い換えれば戦術的視野に留まり、戦略性のないところもまた特色だった(その独善性が、何とも愛らしかったのだが)。以前このような事を書いた事がある。上述した91年長崎での日韓戦。韓国の強力MFに厳しいプレスをかけられたラモスは、何もできずに沈黙。ラモスの不適切なキープから、次々にボールを奪われ苦しい試合となった。ラモスが中盤でキープできなかった事が最大の敗因だった。試合後、ラモスが周囲の選手に「何で戦わないのだ」と騒いでいると言う話が聞こえてきた。その話を聞いたときは、「ラモス相変わらず可愛いじゃないか」と笑ってしまった。ところが、その試合を見てもいない(あるいは見ていても、真剣には見ていない)輩が、ラモスの言い訳を真に受けたとなっては、ほうってはおけない。
 ラモスはいい選手だった。しかし、一方で我がまま極まりない独善的な選手だった。歴代ベスト11に入るような選手の多くは、正に粉骨砕身、全知全霊を賭して、日の丸と我々のために戦ってくれた男達だ。技術面でラモスがここのランクに入ってくるのを否定するものではないが、精神面ではこのランクには全く入らない選手だ。ラモスは戦う選手ではなかったのだ。
 そのような事実を、しっかりと見る事すらできていない司会者に、この愉しい企画が託された事が残念でならない。

 ともあれ、冷静に戻ろう。自分も参加するのが、このような企画を愉しむ一番の手段だ。

     川口能活
  加藤久 井原正巳 中澤祐二
堀池巧 宮内聡 名波浩  落合弘
     木村和司
   釜本邦茂  カズ

控え 森下申一 藤島信雄 明神智和 福田正博 
   森島寛晃 中村俊輔 久保竜彦  

 もちろん、他にも入れたかった選手は多数。今井敬三、名良橋晃、前田秀樹、原博実。もう、こうなるとキリがないな。うん、愉しい企画だ。

<以下加筆、06年9月30日>
 コメント欄で話題になった都並と中田について
 都並は、色々考えたのですが、ちょっと違うかなと思って入れていません。ベガルタの監督云々は全く関係ありません(笑...笑えないか)
 中田を入れなかったのは、先日の突然の引退を、自分で飲み込めていないからです。以前も書いたとおり彼の人生ですから、我々がどうこう言う事ではないのはわかっているのですが、残念と言うか何と言うか。そのような思いがあるので、入れていないと言う事です。「それでも外すのはおかしい」と言う論理はその通りだと思います。中田の件は、このような補足を最初から書いておくべきでした。
 それから、釜本まではある程度往時を直接堪能できていますが、杉山、宮本輝、小城らよりは前は、プレイはTVなどで結構見てはいますが、何分にもまだ子どもだったもので、最初から選考の外にしています。

投稿時間 2006年09月28日
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