blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 播戸の充実

 ベガルタは、もう勝つしかないホームのレイソル戦、菅井が退場になり10対11になった後で、1点を奪い、レイソルにも退場者が出たところで突き放し2−0の勝利との事。映像を見る事ができていないが、煮詰まった大事な試合で、この難敵との直接対決を勝ち取った事は非常に大きい。
 次節は、菅井、ロペス、熊林の3人が出場停止と言う厳しい状況だが、ベガルタの選手層の厚さを考えれば、それほど問題はないはず。元々、潜在能力はいずれのクラブにも負けないものがある。ヴィッセル、横浜FCも引き分けに終わり、勝ち点が僅かに詰まった。この日のように全て巧く行く事はそうないだろうが、ベガルタが勝ち続ければ、敵は落ちてくるものなのだ。昇格するクラブは、最後の第4クールを一気の差し足で抜けきるケースは多い。ひたすら戦い抜くのだ。

 と、インタネットの速報を見て興奮しながら、TVで大阪ダービーをノンビリと見ていた。セレッソは播戸に先制されるも、丁寧に守りを固めて粘り前半終了間際に藤本(この選手は目立たないが、北京五輪代表チームにおいて非常に重要な役割をすると思う、非常に頭のよい守備者だ)のヘディングで追いつく。後半、名波を投入し、勝負をかける。後半早々は、名波の自在なパスから幾度と無く好機を掴む。
 ここで西野氏は、中東で180分間死闘を演じた加地と遠藤を投入。ガンバは、一気にペースを取り戻す。中途半端な前掛りのセレッソのMFをかわして、再三ブルーノ・クワドロスの後方を突くようになる。それでもセレッソGK吉田が鬼気迫るセービングで、幾度と無く危機を防ぐ。吉田が、フリーで抜け出した播戸のシュートを押さえた場面など、感服ものだった。しかしその直後、二川が見事なすり抜けから吉田と1対1となり、落ち着いて吉田を破るもポストに当たり、そのボールを播戸が落ち着いて詰めて決勝点。さらに、前掛りになるセレッソの裏を突き、マグノ・アウベスと遠藤で3点目を決め、勝負を決めた。
 セレッソの前線は、西澤、大久保、古橋、森島、そして名波(この日は森島と交代だったが)と、非常に充実したメンバを揃えているが、十分な連携が取れていない。大久保はスペインに渡る前のボールをもらう動きがなくなっていまい、宮本の好餌となっていた。また、名波がボールを持つと、周囲の選手の動きが止まってしまう。名波と言う至宝がいるのだからこそ、信じて走りこむ必要があると思うのだが(と言う意味では、幾度も日本代表で美しい攻撃を見せてくれた静岡高校選抜以来と言う森島と名波を同時に使うべきなのではないか)。

 ともあれ、播戸である。1点目、二川の長いグラウンダの縦パスに反応、ブルーノ・クワドロスと柳本に挟まれながら、右足で落ち着いてボールを受け直し、利き足でない左足で強いシュートを蹴る事ができる地点に、見事にボールを置き直した。厳しいプレッシャの中で、「強くボールを蹴れる地点」にボールを置き直す事ができるのは、正にストライカのプレイ。
 2点目。直前に1対1に抜け出しながら、吉田に巧く止められた直後に、落ち着いて味方のシュートのこぼれ球を狙っていた。この場面での、切り替えの早さと冷静さは、これまたストライカの面目躍如。
 試合終了後のインタビューで、「遠藤、加地が、あの日程をこなして、今日の試合を迎えている。大阪に残った俺たちが走らないわけにはいかないと思って...」と語っていたが、このような精神的な強さもこの選手の魅力。おっと、播戸、遠藤、加地は、あのナイジェリアワールドユース準優勝のチームメートでもあったな。
 私は播戸と言うストライカが大好きなんですよね。いかにも向こうっ気が強そうで、しかも冷静なところが。以前、こんな事を吠えた事もあるし。褒め過ぎなのはわかっているけれど、ちょっとカズを思い出したりしてね。オシム爺さんが呼んでいるFWの4人は、それぞれとてもよい。でも、5人選んでそれぞれ競わせてもいいと思う次第。

投稿時間 2006年09月09日
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