blog武藤文雄のサッカー講釈

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■ 恐るべし、トリニータ

 掟破りの長期休暇を取ったものの、やはり夏休みも取りたいと言う事で、本業でアタフタしていた。そして、土曜日ながら取引先との打ち合わせなどをこなし、さらに地域の少年サッカーの打ち合わせなどがあり、帰宅したのは20時過ぎ。「ようやくこれで休める」と思いつつ、インタネットでベガルタの試合を追いかけながら(久々の地元快勝に安堵、ベガルタ周辺については、また別な機会に)、何気なくTVをBSに合わせる。
 すると、アビスパ対トリニータをやっていた。「おお、この両チームをじっくり見るのは久々だなあ、でも随分マニアックな試合をやるものだ」と、喜びながらも不思議な思いにとらわれていた。けれども、しばらく考えて、「NHKやるじゃないか」と思い直した。そう、この試合は日本サッカー史上初めての、トップリーグにおける九州ダービーだったのだ。ちょっと、いや、相当羨ましかった。毎年4試合ずつ足の引っ張り合いをしている隣県の宿敵と、いつかJ1で戦いたいものである。

 ともあれ、野次馬としてこの試合を愉しむとなると、両軍の気鋭の若手に注目する事になる。北京の候補選手が、西川周作、福元洋平、中村北斗、田中佑昌とズラリ。まあ、西川のスーパー振りは先日の中国戦でもよくわかっていたし、北斗もこの試合で豊富な活動量を見せていた(もっとも、北京的見地からすると、北斗には内田と言う手ごわいライバルが登場していているのだが)。むしろ、気になっていたのは、昨年のアジアユース1次予選では(唯一のJリーグレギュラと言う事もあったが)、圧倒的な存在感を見せ付けていた福元。最近不調が伝えられ、レギュラから落ちる事も再三と聞いていたからだ。実際、後半を見ただけだが、福元自身のプレイはそうは悪くなかった。ただ、タイプとして3DFのストッパよりも、4DFでカバーリングしながら敵を押さえる方が向いているような気はしたが、これも経験だろう。ともあれ、少し安心。それにしても、水本、青山、福元と、3枚Jで完全なレギュラがいるのだから、反町氏も楽な仕事だな(笑...これについても近日述べたい)。

 と、ノンビリTVを観ていたのだが、2点目にはビックリ。
 1−0でリードしていたトリニータが、アビスパの攻撃をクリア。こぼれたボールをMFがヘッドで拾い、ハーフウェイライン近傍で、本日の主役梅崎司が前を向いてドリブルしたのがスタート。梅崎は高速ドリブルで前進しながら、首を左右に素早く振り回す。このルックアップにより、梅崎は当然周囲を完全に把握できたし、アビスパ守備陣は梅崎の意図が読みづらくなる。
 そして、梅崎は左に流れたトップのラファエルを選択。梅崎のキョロキョロも奏功したのかもしれない、アビスパDFの対応が瞬時遅れ、ラファエルは余裕を持ってボールを受ける事ができ、落ち着いてペナルティエリアやや外に走りこむ梅崎にリターン。梅崎は、ほぼGKと1対1でボールを受ける、飛び出すアビスパGK水谷。梅崎のトラップはやや大きいように見え、水谷がブロックできるかに見えた瞬間、梅崎はもうワンタッチしてボールを右に流す。そこには、梅崎の後方を必死にフォローしてきた俊足の松橋がいた。梅崎は後方から走りこむ松橋も見えていたのだ!松橋の仕事は無人のゴールにボールを流し込むだけだった。
 動きの中で技巧を扱える選手は多数いる。少なくとも昨年の北朝鮮戦時点での梅崎は、技巧的に過ぎない選手だった。しかし、現状の梅崎は、周囲を把握してその技巧を発揮できる選手にまで成長してきた。しかも、まだ19歳なのだ。これは大変な選手になり得る素材ではないか。梅崎は、近々行われるアジアユース2次予選及びワールドユース本大会での活躍は当然の事として、北京の攻撃的MF候補である水野、梶山、家長、本田らの争いに割って入ってくる事だろう。

 以前にも、「西川と福元を育成したトリニータの若年層強化については感心している」と書いた事があるが、さらに第3の男まで登場した。そして、ここにはシャムスカ氏がいる。恐るべし、トリニータ。

投稿時間 2006年08月12日
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